北方領土、隔たり浮き彫り=首脳会談、進展見通せず−日ロ

北方領土問題を含む日ロ平和条約交渉をめぐり、14日の外相会談では両国の立場の違いが浮き彫りになった。22日の首脳会談を前に政府内では、日本へのけん制を強めるロシアとの厳しい交渉を予想する声が上がった。自民党からはロシアの姿勢に反発が出ている。
「プーチン大統領と胸襟を開いてじっくりと話し合い、できるだけ交渉を進展させる」。安倍晋三首相は15日の政府・与党連絡会議で首脳会談に臨む決意を強調した。
ただ、14日の外相会談では、北方領土問題をめぐる溝が鮮明になった。主権について、日本側は「返還の際に戻るのが当然」との立場だが、ラブロフ外相は機先を制して「主権は議題にならない」と主張。ラブロフ氏は、日本側が「北方領土」の呼称を使っていることについても「受け入れられない」と反発した。日本側はプーチン氏が6月の20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせ来日する際に、具体的な成果を得るシナリオを描いているが、外相会談を受け、政府高官は今後の交渉について「一筋縄ではいかない」と指摘。外相同行筋も「なかなか簡単ではない」と漏らす。首脳会談でも、首相が厳しいやりとりを迫られる可能性もある。
(2019/01/15 19:01 時事通信社)