統計不正、異例の調査やり直し 「身内」批判高まり判断

厚生労働省は25日、「毎月勤労統計」の不正調査について再検証を始めた。外部有識者による特別監察委員会が行ったとしていた厚労省職員らへの聞き取りの一部を「身内」の同省職員が担っていたことが明らかになり、第三者性への疑念が強まったため。検証結果の公表からわずか3日での再検証は極めて異例だ。
根本匠厚労相は25日の記者会見で、「第三者性にいささかも疑念が生じることがないよう、(監察委の)樋口(美雄)委員長と相談し、ヒアリングをさらに行っていただくことになった」と説明。身内による聞き取りは、監察委の有識者がやり直すとした。未実施だった地方自治体への聞き取りなども行う。
樋口氏は厚労省所管の労働政策研究・研修機構理事長で、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の会長などを務める。与野党には、検証の第三者性の確保に向けて厚労省の外に検証組織を設置するべきだとの意見もあるが、厚労省は監察委で検証を続ける。
監察委は設置から6日後の22日に中間報告書を取りまとめ、不正調査の動機などに関する検証は終結すると表明した。根本氏は、報告書をもとに関係職員・元職員計22人を同日付で処分。だが、再検証で処分の根拠も揺らぐことになる。
24日の衆参厚労委員会の閉会中審査では、野党の追及で「身内」による聞き取りや、報告書の素案を厚労省が作っていたことが判明。与党からも不正の動機など「肝心な点」が解明されていないとの批判が相次いだ。
(2019/01/25 13:11 朝日新聞デジタル)

いずも、釜山寄港取りやめへ=韓国艦レーダー照射問題受け

政府は、海上自衛隊護衛艦「いずも」を4月に韓国・釜山へ寄港させる計画を取りやめる方向で調整に入った。政府関係者が27日、明らかにした。韓国駆逐艦による海上自衛隊哨戒機への火器管制レーダー照射問題で日韓関係が悪化したことを受けたもので、今後の日韓の防衛協力・交流も縮小に向かいそうだ。
政府関係者によると、4月に韓国で開催予定の東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と日米中韓などによる拡大ASEAN防相会議に合わせ、多国間の共同訓練が韓国周辺海域で計画されている。いずもなどの海自艦艇は共同訓練には参加するが、釜山への寄港は見合わせることとする。
(2019/01/27 15:01 時事通信社)

岩屋防衛相、威嚇飛行写真「事実と異なる」 韓国に反論

海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍艦艇に対して低空で「威嚇飛行」をしたとして韓国国防省が批判している問題で、岩屋毅防衛相は25日午前、韓国が24日に公開した写真について「事実とは異なっている」と述べ、証拠にはならないとの考えを示した。閣議後、記者団の質問に答えた。
韓国国防省は24日、哨戒機が「威嚇飛行」をしたとする場面の写真5枚を公開。このうちレーダーデータの画面とする写真は、高度約60~70メートル、距離約540メートルまで接近したことを示していると主張した。
これに対し岩屋氏は「わが方はきちんと記録を残しているので、(韓国側の写真に)示された値は正確ではない」と反論。「国際法規や国内法等に照らして、少なくとも距離500メートル、高さ150メートル以上には近づかないことを保って今回も運航、運用している」と改めて強調した。
菅義偉官房長官は25日午前の記者会見で、哨戒機は適切に飛行していたと報告を受けているとし、「写真を公表したことは遺憾であり、韓国側には冷静、かつ適切な対応を求めたい」と語った。(藤原慎一)
(2019/01/25 12:30 朝日新聞デジタル)

河野統幕長、韓国発表を否定=東シナ海自衛隊機、「冷静な対応を」

東シナ海で自衛隊機による「威嚇飛行」があったと韓国国防省が発表したことについて、自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は24日の定例会見で、韓国の発表を否定し「冷静な対応を求めたい」と述べた。
河野統幕長は、海上自衛隊の哨戒機の位置を高度150メートル以上、距離1000メートル以上と説明。安全な高度と距離だったと強調した上で、「具体的な数字になると、適切でないし、意味もない」と詳細な言及を避けた。
加えて、「韓国側とさらに言い合うということだけは避けたいし、冷静な対応を韓国側には求めたい」と繰り返した。
(2019/01/24 17:00 時事通信社)

韓国外相、河野氏に「低空飛行続いている。憂慮し遺憾」

河野太郎外相と韓国の康京和(カンギョンファ)外相が23日午前(日本時間同夜)、スイス・ダボスで会談した。康外相は冒頭、海上自衛隊の哨戒機による低空飛行について遺憾の考えを伝えた。会談は1時間5分にわたって行われた。
対面した形での日韓外相会談は昨年9月以来。元徴用工らの日本企業に対する損害賠償訴訟や、海上自衛隊の哨戒機に対する火器管制レーダー照射問題で日韓関係が悪化してから初めての会談になった。
康氏は「1月18日から本日も含めて、3回にわたって、哨戒機の韓国の艦艇に対する低空の近接飛行が続いている。事態が収拾していない。大変憂慮し、遺憾に思っている」と指摘。「難しい時期であるからこそ、自制して問題を管理し、両国関係を持続的に発展させる」とも述べた。
河野氏は「日韓関係は非常に厳しい状況にある」と語る一方、「会談をすることに意義がある」と述べた。「北朝鮮問題についても、しっかりと連携を確認したい」とも語った。(ダボス=吉武祐、チューリヒ=牧野愛博)
(2019/01/23 19:59 朝日新聞デジタル)

レーダー照射、韓国「対話応じるべきだ」 日本は否定的

海上自衛隊の哨戒機が韓国軍の駆逐艦から火器管制レーダーの照射を受けたとされる問題で、韓国国防省報道官は22日、「日本が真実を明らかにする意思があるなら、対話に応じるべきだ」と協議の継続を呼びかけた。
一方、岩屋毅防衛相は同日の閣議後会見で、21日に公表した「最終見解」について「(韓国と)協議を継続しても真相の解明に至らないと判断した」と説明。韓国側が協議再開を申し入れた場合でも「批判の応酬になるような会議は持つべきではない」とした。
この日開かれた自民党の国防部会では、韓国によるレーダー照射について非難決議をするべきだとする意見が出た。防衛交流の中止や韓国への独自制裁を求める声もあった。
(2019/01/23 00:03 朝日新聞デジタル)

政府、辺野古移設の設計変更へ=沖縄県認めない方針

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設をめぐり、政府は今春にも辺野古沿岸部の埋め立て予定地域で、地盤改良工事に向けた設計変更に着手する方針を固めた。これまでの調査で軟弱地盤が見つかった。政府関係者が21日、明らかにした。辺野古移設に反対する玉城デニー知事は設計変更を認めない構えで、移設工事の遅れは避けられない見通しだ。
防衛省関係者によると、設計変更が必要になるのは埋め立て予定地域の東側。防衛省が2014~16年に海底のボーリング調査を行った結果、複数の軟弱地盤の存在が判明。現在は追加調査を行っている。年度内に調査結果がまとまることを受けて、政府は設計変更を県に申請する方針だ。
(2019/01/21 13:02 時事通信社)