辺野古工事「13年で2.5兆円かかる」 県が初の試算

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事の総事業費は2・5兆円にのぼり、防衛省の当初計画の約10倍になる、と沖縄県が試算した。完成までの期間も13年はかかると見込む。沖縄県による試算は初めて。
試算の内容は、玉城デニー知事が11月28日の安倍晋三首相との会談で伝えた。
総事業費は防衛省の2013年の当初計画では、約2310億円。14年に約2405億円に増えた、と県に届けがあった。
だが、事業の途中段階で費用が大きく膨らんでいる実態がすでに明らかになっている。防衛省が県による埋め立て承認撤回に対し行政不服審査請求を国土交通相に申し立てた文書によると、今年3月末までに契約した分は約1426億円で、総事業費の約6割に達した。うち約920億円はすでに業者に支払われたという。
県によると、建設予定の22本の護岸のうち、完成したのは6本で1本が建設中。当初計画ではここまでで約78億円で済むはずだったが、12倍近くかかった計算になる。
こうした状況から、県は総事業費を試算。残りの護岸工事も、14日にも土砂投入が始まる埋め立て工事も費用が10倍になると見積もり、計約2兆4千億円に膨らむと結論づけた。
(2018/12/11 21:21 朝日新聞デジタル)