ゴーン前会長、日産への損失転嫁を否定 弁護人が説明

日産自動車の会長だったカルロス・ゴーン容疑者(64)が2008年、私的な投資で生じた約17億円の損失を日産に付け替えた疑惑について、前会長の弁護人の大鶴基成弁護士は28日の接見後、前会長が「付け替えは実行していない。日産に損失を与えていない」と話していると説明した。
関係者によると、ゴーン前会長の資産管理会社は、銀行と通貨のデリバティブ取引契約を結んでいたが、08年のリーマン・ショックによる円高で多額の損失が発生した。前会長は損失を含む全ての権利を日産に移すことを提案。銀行側も了承し、約17億円の損失が日産に付け替えられたという。関係者によると、証券取引等監視委員会は当時、付け替えが行われたことを把握。銀行に対して違法の可能性があると指摘していたという。
これに対して、大鶴弁護士によると、ゴーン前会長は損失の付け替えを含む対応策を検討したことを認めたうえで、付け替えについて「当局に聞いたところ、違法だと言われ、実行しなかった」と述べたという。
一方、日産の海外子会社を通じて購入した住宅を無償提供させていた疑惑について、ゴーン前会長が「流用ではない」と話していることが関係者への取材でわかった。「業務で世界中に行くので必要だった」などと話しているという。
(2018/11/28 19:14 朝日新聞デジタル)