平成53回、10万人招待=両陛下、9日最後の園遊会−過去ハプニング

天皇、皇后両陛下主催の秋の園遊会が9日午後、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれる。平成に入ってから春秋合わせて53回目の開催で、退位を控えた来年春は日程確保が困難として取りやめが決まったため、在位中最後となる。両陛下は平成を通して延べ約10万人の出席者を迎え、その功績をねぎらわれてきた。
平成の園遊会は1990年春が最初。同年秋は11月の即位の礼に参列した外国元首や王族らを招き行われた。95年春は阪神大震災、2011年春は東日本大震災で、00年秋と16年秋は皇族の逝去でそれぞれ中止になった。
園遊会には政財官界や地方自治体の関係者のほか、各界の著名人も招かれ、芸能人やスポーツ選手、宇宙飛行士など顔ぶれはさまざま。今年春は、平昌五輪で2連覇を果たしたフィギュアスケート男子の羽生結弦選手と国民栄誉賞を受賞した将棋の羽生善治さんで「羽生さん」同士のツーショットが話題になった。
両陛下と皇族方はかつて、1時間以上かけて会場を回り出席者に声を掛けていた。12年2月に天皇陛下が心臓のバイパス手術を受けた後、陛下のそばに皇后さまが寄り添って一緒に声を掛ける姿が目立つようになった。14年秋と15年春の二度順路変更し、時間は45分程度に短縮された。
ハプニングもあった。13年秋の園遊会で、山本太郎参院議員が陛下に直接手紙を手渡した。山本議員は「原発労働者などの現状を陛下に伝えたかった」と釈明したが、「品位に欠ける」と批判を浴びた。
04年秋には、棋士米長邦雄さん(故人)との会話の中で、陛下が国歌斉唱や国旗の掲揚について「やはり、強制になるという考え方でないことが望ましいですね」と発言。陛下に近い関係者は「あれは陛下が本当にその場で自発的にされた発言だと思う」と話している。
(2018/11/08 15:00 時事通信社)