両陛下主催の最後の園遊会、和やかに メダリストら出席

天皇、皇后両陛下が主催する園遊会が9日、東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれ、平昌冬季パラリンピックの金メダリストや脚本家の三谷幸喜さんら約1800人が出席した。来春の退位を控え、平成最後の園遊会。雨が降りしきるなか、両陛下は招待客と和やかに懇談した。
療養中の皇太子妃雅子さまは途中退席が続いていたが、今回は2003年秋以来15年ぶりに全行程を歩き、招待客に声をかけた。
同パラリンピック・スノーボードの金メダリスト成田緑夢(ぐりむ)選手は天皇陛下から「本当におめでとう」とねぎらわれ、「(走り高跳びで)東京のパラリンピックを目指して頑張っています」と答えた。
東京電力福島第一原発事故の健康影響調査などに携わった山下俊一・福島県立医科大学副学長に、天皇陛下は「原子力は非常に微妙な問題ですね。よろしくお願いします」と声をかけ、皇后さまは「福島の子供たちの健康はどうでございますか」と尋ねた。
各界で地道に取り組む人たちとも懇談。55年間、和服仕立職を務める加藤靜子さんは自ら手がけたという大島紬(つむぎ)の古布を縫い付けた訪問着で出席。皇后さまから「とても珍しい。大事になさっていますか」と声をかけられ、「胸がいっぱい。これからは若い人を育てていきたい」と述べた。
即位後、両陛下は今回を含め53回の園遊会を主催。延べ約9万8800人が出席した。
(2018/11/09 19:32 朝日新聞デジタル)