理神論(2)

世界大百科事典 第2版の解説りしんろん【理神論 deism】人間の功過に対して賞罰を課し広く万物の摂理をつかさどるとされる人格神への信仰に対して,天地創造の主体ではあるが創造行為の後は人間世界への恣意的な介入を中止し,自然に内在する合理的な法にもとづいてのみ宇宙を統治するものとしての神への信仰を意味する用語。自然宗教natural religionと呼ばれる場合もある。したがってそれはヨーロッパ思想の中で,17世紀後半のイギリス名誉革命に始まる市民社会の発展と自然科学の興起に伴い,合理的な思弁の浸透によって従来の伝統的な国教会の教義を否認し,三位一体や啓示・奇跡を否定して聖書の象徴的・比喩的解釈を採用する異端としての神学を指す。 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 

大辞林 第三版の解説
りしんろん【理神論】一七、八世紀ヨーロッパの啓蒙主義時代の合理主義的な宗教観。世界の創造者として神を認めるが、神が世界の出来事に関与することは信じない。聖書批判・比較宗教への道を開いた。自然神論。 出典 三省堂大辞林 第三版について