理神論(1)

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説理神論
りしんろん
deism啓蒙時代のヨーロッパに栄えた宗教思想。自然神論,自然宗教ともいう。神は世界を超越する創造主であるが,神の活動性は世界の創造に限定されているのであって,創造されたあとの世界は,あたかもねじを巻かれた時計のごとく,神によって定められた自然法則に従い,その働きを続けるとするもの。創造されたのちの世界の自己展開には,もはや神は干渉しないところから,超自然的な啓示,特に奇跡などを排す。これは歴史的には宗教の合理化,世俗化,人間化の過程に現れた合理主義的・自然主義的有神論といえる。 17世紀なかばから 18世紀にまずイギリスの自由思想家,科学者たちによって唱えられ,のちフランスの百科全書派,ドイツの啓蒙主義者へと広まった。理神論者としては,ハーバート・オブ・チャーベリー,J.トーランド,A.コリンズ,ボルテール,J.-J.ルソーらがいる。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について
 
デジタル大辞泉の解説りしん‐ろん【理神論】神を世界・天地の創造者とはするが、世界を支配する人格的超越存在とは認めず、従って奇跡・預言・啓示などを否定する立場。いったん創造された以上、世界はみずからの法則に従ってその働きを続けるとする。17世紀から18世紀の英国の自由思想家たちに支持され、フランスやドイツの啓蒙主義に強い影響を与えた。自然神論。自然神教。→無神論2出典 小学館デジタル大辞泉について 

| 凡例百科事典マイペディアの解説理神論【りしんろん】英語deismの訳。〈自然宗教natural religion〉とも。世界の創造者,合理的な支配者としての神は認めるが,賞罰を与えたり,啓示・奇跡をなす神には反対するキリスト教宗教思想。
→関連項目自然宗教|ハーバート|フリーメーソン|有神論出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて