SF(エスエフ)とは(2)

こうした時代背景による変化は現在まで続いており、既存の他ジャンルとの融合をはかったり、近現代の科学技術を題材に取った作品も少なくない。その他こうした変化の中から派生したジャンルも存在し、近年では「サイバーパンク」と呼ばれるジャンルがそれにあたる。

黎明期からのSF作品が科学的な側面を強く持っていたのに対し、「SFは必ずしも科学だけではない」という見解から始まった、サイエンス・フィクションとは別個のSF解釈である。日本語では「思弁小説」と訳されることもある。
スペキュレイティブ・フィクションという語それ自体は古くから存在するが、これを従来のSFに対する新しい解釈として使い始めたのは、1960年代以降の作家や編集者たちによる「ニューウェーブ運動」であった。
これまで主流であったSF(サイエンス・フィクション)に対し、思想や哲学といった要素を取り入れようとした動きであったが、徐々にこの語は使われなくなっていき、現在ではほとんど見かけることはなくなっている。
しかし、2000年頃になると、あるジャンルを包括的に示す語として再び使われ始め、海外の文芸誌や論評に用いられた。
スペキュレイティブ・フィクションを??SF?≠ニ略すことがあるため、サイエンス・フィクションと混同される場合がある。
(が、大抵の場合SFといえば上記のサイエンス・フィクションを指していることがほとんどである)

アメリカSFの黄金期を作り上げ、後世の作品に大きな影響を与えた「ロボット工学三原則」の生みの親として知られるアイザック・アシモフは、単に宇宙人や空想科学を擁するものがSFなのではなく、価値観の崩壊・転倒による驚きや発見がSFには必要であると主張した。
ある種の不思議感や神秘感を指す語として使われることもあるようである。
科学解説者としても知られていた彼の作品には、科学を題材としながらもミステリー仕立てになっているものが多く、謎解きや推理の中で登場人物の価値観が転倒する描写がまま見受けられる。