ベールを脱いだ日本のフリーメーソンたち(3)

「陰謀団と悪口を言われるのは、先進国では日本だけです」クライプ まず最初に、私は世界中のフリーメーソンを代表して何かを言う権限も権威も持ち合わせていません。ですから、私がこれから述べることは、あくまでも私の個人的な意見だと理解してください。
 とかく、フリーメーソンリーとは一つのユニットとか組織みたいなふうに誤解されがちなんですが、そういう中央集権的な組織ではありませんし、組織全体を代表して話すような、スポークスマンみたいな者も実はいないんです。そこのところに注意してください。フリーメーソンリーの組織形態というのは、ピラミッド型の上意下達の組織ではなく、各地のグランド・ロッジが並立していて、それぞれが相互に承認しあっている。国と国との間の外交関係のようなものです。我々の正式な名称に、フリー・アンド・アクセプテッド(承認された)とつくのは、そういう意味もあります。つまり我々のグランド・ロッジは世界各地のグランド・ロッジから承認されていますよ、ということを意味するのです。フリーメーソンリーのあるロッジが伝統的なルールを破った場合、行なわれる最大の“制裁”は、他のロッジから承認を取り下げられることです。そうなるとつきあいが断たれ、他のロッジを訪問することができなくなる。世界的なフリーメーソンリーのネットワークの一員として認めてもらえなくなるんです。

 教皇庁が最初に行った反フリーメーソンの行動は、教皇クレメンス12世によって1738年に出された破門令である。
 
 なぜ、破門か? 一つはその「秘密性」にあるという。これは、懺悔などの時に、神の前では全てを打ち明け、秘密は一切持たない、という重要な教義と矛盾する、という。すなわち神に対して全てを告白するという「告白の秘蹟」を、事実上無効にしてしまうからだという。
 この「秘密性」に対する批判が、カトリックの反フリーメーソンの最大の論拠とされることになる。

 デザキュリエは、フランス人の自分よりイギリス人が会則を作った方が、イギリス人の会員達の支持を得られるだろうと考えており、長老派の牧師で、博識で知られたジェームズ・アンダーソンに、これを作るように命じた。
 これが「アンダーソン憲章」である。

 この新しいフリーメーソン憲法は、イギリスだけではなく、ヨーロッパ中のフリーメーソンに燎原の火のごとく広まった。