専守防衛を強調=「新領域強化」最優先に−河野統幕長インタビュー

自衛隊制服組トップの河野克俊統合幕僚長は、新たな防衛大綱と中期防衛力整備計画(中期防)の決定を受け、29日までに時事通信のインタビューに応じた。海上自衛隊の「いずも」型護衛艦を事実上の航空母艦(空母)へ改修することについて、「専守防衛の範囲内」と強調。宇宙やサイバーなど新領域の防衛力強化を最優先課題とする認識を示した。
河野統幕長は、改修によりいずも型は「柔軟性が増す」と指摘。短距離離陸・垂直着陸能力を持つ米最新鋭ステルス戦闘機F35Bを艦載することで、航空基地が離れている太平洋の防空体制を強化できるとした。
空母化により敵基地攻撃能力を保有することについて、「専守防衛を逸脱しない」と繰り返す一方、具体的な運用は「これから構想を立てていく」と述べるにとどめた。
河野統幕長は新防衛大綱を、「非常に大きなステップ」と評価。大綱で重視された宇宙・サイバー・電磁波の新領域に関して、「あまり手を付けてこなかった。従来の延長線上ではないアプローチをしていく」と述べ、最優先課題と位置付けた。
(2018/12/29 15:30 時事通信社)