安倍首相3選、改憲へ強い意欲

「いよいよ皆さまと共に、憲法改正に取り組んでいきたい」。6年ぶりの選挙戦となった自民党総裁選。20日の投開票で石破茂元幹事長を破り、3選を果たした安倍晋三首相は、あいさつで宿願の憲法改正への意欲を強くにじませた。
国会議員による投票は東京・永田町の自民党本部8階ホールで午後1時すぎから始まった。優勢が伝えられる中、やや落ち着かない表情で投票の様子を見守る安倍首相。約1時間後、野田毅選挙管理委員長が「安倍晋三君が当選者と決定いたしました」と告げると、ほっとしたように立ち上がって右手を挙げ、深々と頭を下げた。
あいさつでは「誠に浅学非才で至らない私ですが」と述べ、「低姿勢」をアピール。一方、「戦後日本外交の総決算を行いながら、日本を確固たるものにする」「新しい国づくりに挑戦していきたい」と力強く語り、会場は大きな拍手に包まれた。
敗れた石破氏に対しては「戦いは終わった」「堂々と論戦を展開していただいた」と持ち上げ、壇上に上がった石破氏と力強く握手。2人並んで両手を高く掲げ、「党内融和」を演出した。
午後6時から党本部で行われた記者会見では、過去に現職首相が出馬した総裁選の得票率を引き合いに、それを上回る得票だったとして、石破氏が健闘したとの見方をけん制。「結論が出た以上は一致結束して進んでいくのが自民党のの伝統」と何度も繰り返し、憲法改正を含めた自らの政策を進める考えを示した。
最後に石破氏を支持した議員の処遇について問われると、「適材適所」と一言だけ答えて笑顔を見せ、会場を後にした。
(2018/09/20 16:30 時事通信社)