死刑執行文書ほぼ黒塗りで開示

オウム真理教元代表松本智津夫(麻原彰晃)元死刑囚(執行当時63)ら教団元幹部の死刑執行に関する文書の一部を、法務省が8日、朝日新聞に開示した。ただ、執行状況や遺言など、ほとんどの項目が「黒塗り」で非開示とされていた。
8日に開示された文書は松本元死刑囚ら、7月6日に執行された7人の「死刑執行速報」。執行が行われた拘置所の所長が当日に作成し、法務省矯正局長ら宛てに出していた。
文書はいずれも(1)氏名(2)執行年月 日時(3)執行立会者氏名(4)執行状況(5)本人の刑に対する心情、遺言等(6)遺体の処置、引取人の住所、氏名(7)参考事項――の7項目で構成されている。黒塗りがなかったのは(1)と(7)で、(7)はいずれも「特になし」などとされていた。
(2)は日付は開示されたが、執行や死亡確認の時刻とみられる欄は黒塗りされていた。(3)は、検察庁の名称や立ち会った人の肩書は開示されたが、氏名は非開示だった。(4)~(6)はすべて黒塗りされていた。
7件の文書のうち、6件はA4判1枚。松本元死刑囚に関する文書だけは(5)の「本人の刑に対する心情、遺言等」が他の元死刑囚と比べて数倍長く、A4判2枚にわたった。
関係者によると、松本元死刑囚は執行前、刑務官から「何か言い残したことはあるか」と問われ、最初は言葉を発しなかったが、遺体の引き取り先を尋ねられて「四女」と答え、刑務官が確認したところ、改めて四女の名を出したとされる。文書にはこうしたやりとりが書かれている可能性がある。
(2018/08/08 22:15 朝日新聞デジタル)