自民が夏時間検討へ=安倍首相指示、政府なお慎重論−東京五輪の猛暑

自民党2020年東京五輪・パラリンピックの猛暑対策として、時計の針を早めるサマータイム(夏時間)導入の検討に入る。安倍晋三首相(党総裁)の指示を受けたもので、早ければ秋に予定される臨時国会に関連法案を提出し、19年の試験実施を目指す。ただ、政府には慎重論が強く、政府・与党内の調整は難航しそうだ。
東京五輪組織委員会会長の森喜朗元首相が大会期間中の標準時を2時間繰り上げる夏時間導入を求めていた。首相は7日、森氏と首相官邸で会談し、「内閣として考えるが、党で先行して議論してほしい」と前向きな姿勢を示した。同席した遠藤利明元五輪担当相が明らかにした。
自民党岸田文雄政調会長を中心として、検討の枠組みをお盆前に発足させることを目指す。党に特命委員会を設置する案や超党派議員連盟をつくる案が浮上している。法案は議員立法での提出が想定されている。
公明党山口那津男代表も7日、夏時間について「柔軟に幅広く検討していく必要がある」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
一方、菅義偉官房長官は同日の記者会見で「国民の日常生活に影響が生じるものであり、大会までの期間があと2年と限られている」と消極的な姿勢を改めて示した。
夏時間をめぐっては、エネルギー節約や経済効果への期待がある一方で、健康への影響や残業時間の増大などを懸念する意見もある。04年に結成された自公と旧民主、旧国民新両党による議連は3~10月に標準時を1時間前倒しする法案を決定したものの、各党の意見がまとまらず、提出に至らなかった。
(2018/08/07 12:05 時事通信社)