オウム裁判:永久保存 法相意向、犯罪研究資料に(2)

解説 閲覧、柔軟な運用を
検察庁で保存されている刑事参考記録について、1987年に出された法務省刑事局長通達は、指定の基準として、死刑判決で終結した事件▽国政を揺るがせた犯罪▽犯罪史上顕著な犯罪▽無罪で終結した事件のうち重要なもの−−などを列挙している。
一方で、当事者のプライバシー保護の観点などから、どの事件が指定されているのかは明らかにされていない。学術研究などの必要があれば検察官の判断で閲覧を認めるとしているが、指定されている事件が分からないため学者らが閲覧請求するのは難しく、請求しても認められにくい現状があるとされる。
上川法相はオウム事件について「将来の世代に受け継いでいくことも私の重要な責務であると考えた」と述べた。具体的な閲覧の在り方には触れなかったが、検察庁は上川法相の発言の趣旨を踏まえ、従来と比べより柔軟な運用に向けた検討が求められる。【和田武士】
(2018/08/03 12:53 毎日新聞)