男組 漫画(2)

 流 全次郎(ながれ ぜんじろう
弁護士の父・統太郎殺害の罪で関東少年刑務所に服役中。母は2歳になる前に他界。幼き頃より、父の親友・陳泰明により「陳家太極拳」を伝授される。と同時に厳しい躾をほどこされた。
関東少年刑務所内で対立している5人のボスをまとめ、流全次郎一家を築く。基本理念は”兄弟”であった。
全次郎の信念は、父の”獄中記”の最期の言葉「どんなに絶望が巨大でも、それを圧倒する希望を打ち立てる意思の力、私はその力を維持し続けたことを誇りに思う」である。

 神竜 剛次(じんりゅう ごうじ)
政界の実力者、壮一郎を養父に持ち、強大な権力をバックに理想社会を築こうとファッショの限りをつくす。さらに、日本の政界の黒幕である”影の総理”を実父に持つ彼はまさに恐いもの知らずの高校生だ。武道にも秀でているらしいが、恐るべきは剣の腕前である。
しかし、その幼少時代に受けた父に対する恨み、人間に対する絶望は計り知れないものがある。ある意味、今の世の中を見る限り彼の論理こそ正論なのかも知れない。

 影の総理(かげのそうり)
満州国を発展させるために大日本帝国の命によりアヘンの栽培を再開したが、満州国崩壊のどさくさに紛れ大量のアヘンを横領し、全て金塊に変え日本に持ち込み、その経済力によって戦後の日本を裏から支配した人物。
国家財政を支えるほどの金を、一個人が手にしたのだ。その力は強大だった。神竜剛次の実父である。

ターニングポイントは流が神竜によって(実は影の総理の指示)軍艦島刑務所という最果ての地の収容施設に送られるあたりからである。

しかし理念が全く相容れない二人は、影の総理を倒す前に結局対決せざるを得なくなる。
対決の最中に、流は父親を影の総理の放った刺客によって殺され、神竜は母親が影の総理の裏切りにあって自殺したことを互いに告白。
最後は神竜の突き出す刀を肩で受け止めた流が、南条直伝の必殺技で神竜を倒す。

力尽きた神竜の短刀を譲り受けた流は、神竜との約束を果たすため、影の総理主催の園遊会会場に一人乗り込む・・・
漫画は流が神竜の短刀を手に、影の総理めがけて突っ込んでいくカットで終わっている。