安倍首相、改憲論議進展促す=野党はCM規制要求

安倍晋三首相は6日放送のNHK番組で、憲法改正に関し、与野党論議の進展を促した。これに対し、立憲民主党など野党側は同じ番組で、国民投票期間中のCM規制に向けた国民投票法改正についての議論を優先するよう求めた。
首相は、皇位継承や大阪での20カ国・地域(G20)首脳会議、東京五輪が控えていることに触れ、「未来に向けて日本をどういう国にしていくか、骨太の議論が国会に求められている」と強調。「各党が考え方を持ち寄るべきだ」と呼び掛けた。
昨年の臨時国会で、自民党は党改憲案の国会提示を目指したが、衆院憲法審査会の運営が強引だと野党が反発したことで断念した。首相は2020年の改正憲法施行を目標とすることについて「気持ちは全く変わらない」と述べつつ、「スケジュールありきではない。国会が決めていく」と語り、当面は推移を見守る姿勢を示した。
公明党山口那津男代表は「議論の環境を整えていくことがまず必要だ。与野党が広く議論を深めて幅広い合意をつくることに尽きる」と述べた。自民党に対し、改憲案提示より野党側の歩み寄りを促すことが先決だとくぎを刺した発言だ。
一方、立憲の枝野幸男代表は「少数政党にも配慮する本来の憲法議論を取り戻すのが大前提だ」と述べた上で、「有料広告の全面規制を中心とした国民投票制度の議論こそが最優先だ」と訴えた。国民民主党玉木雄一郎代表も「資力を頼りに有利な広告をするなら国民投票の公平性を害してしまう」との認識を示した。
共産党志位和夫委員長は「憲法をないがしろにしてきた安倍首相には憲法を変える資格はない。圧倒的な世論で改憲にピリオドを打つ年にしたい」と決意表明した。
(2019/01/06 16:01 時事通信社)